マイルーム。目の前は、ベッドの端に座った壱与がいる。キュッと閉じた目と、揃えた足に添えた拳は硬く閉じられている。
なんでこんな状況になっているかと言えば、壱与が自分の匂いについて自信がないということが発端だった。
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邪馬台国に居を移して、お米やどんぐりといった美味しいごはんを食べられるようになって、きちんと身も清められるようになったのはいいんですけれど…なかなか自分に自信が持てなくなりまして…。
特に自分の匂いなんては…って、ナシナシ、ナシですよ未来さん!これ以上はちょっと!コンプライアンス的にNGなお話ですので!!』
そうは言われても、以前に狗奴国由来の精神干渉魔術から助けてもらった時に、不可抗力とはいえギュッと抱きしめられたことがある。
魔術のせいで眠気は感じていたものの、自分を包み込むように抱きしめてくれた柔らかな身体と化粧や香水などで飾られていない、女の子の自然な香りは、よく覚えている。実に、いい匂いだった…。と、つい口が滑って、感想を伝えてしまった。
赤くなりつつ打ちひしがれている彼女は、プルプル震えている。耳まで赤い。
『で、ですが!あの時は向こうの呪法で色々五感も鈍っていたはず!私なんかが、そんな、いい匂いなはずなんて…。そんなはず、ないんです…!』
頑なに首を振る壱与に、であればもう一度検証してみようと定案する。少しでも彼女の自信に繋がるといいなと、そんなお節介のような考えだったのだけれど…。
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三食きちんと食べて、軽めのトレーニングや踊りなども行って、準備は万端とのこと。いつもならあとはお風呂に入って寝るだけだという。
「くぅっ。なんだか未来さんに色々誘導された感がありますが…。けれど、もう、覚悟は決めました…!未来さんになら正当な評価を下されても…下されても…。あ、やっぱりダメ。今度こそ立ち直れなくなったら…ひゃん!?」
今にも逃げ出しそうだったので、壱与の握り締められた手を片手で包み、首筋の匂いを嗅ぐ。
どこか甘く、心地よい匂いが鼻腔を通り抜ける。微かに汗の匂いも混じり、壱与の、壱与だけの匂いになっているのだろう。
「みみっみ、みみみ、みら、未来さん…!!?」
そのまま耳、肩、二の腕…脇なども順に嗅いでいく。匂いが好みの異性は遺伝子的な相性が良いという研究結果は、獣の習性にも繋がるという話をふと思い出す。良い匂いと感じる組み合わせだと免疫力や病気への耐性も向上するのだったか、今度また勉強しなおそう…。
「っふ、あ…! ちょっ、もう…!!」
頭の中も鼻腔の中も、壱与の匂いで満たされる。
これ以上はいけないと、理性を総動員させ、名残惜しくも彼女から離れた。実にいい匂いだった…。
「ううううっ…!そ、そんなお顔を見たら、嫌な、嫌な臭いではなかったのでしょうけれど…!!は、は、恥ずかし過ぎますよう…!!」
指の隙間からギロリと睨み返してきたと思ったら…
「こ、ここ、今度は未来さんの番ですからね…!!壱与がきちーんと匂いチェックして差し上げます!!ご覚悟ーっ!」
攻め過ぎた。少しずつ後退するも、にじり寄ってくる壱与に追い詰められる。
相手にもいい匂いだと感じられたら、お互いに相性が良いということになるのだろうか?
この後の彼女による匂いチェックや今後の行動などで、その結果がわかる日も来るだろうか…。
*つづかない*
獣臭いパターンでもありだけどいい匂いであってほしい…
もっとイチャラブしろ…ああでも今日の更新で卑弥呼様きてたな
どうなる邪馬台国
あそこまで複雑な立場じゃないけど感覚としては予言の子に近いな
モーションもセリフも声も可愛い…正式加入まだ?火曜日?早く火曜日来て…
わかるよ…髪の毛の匂いも嗅ぎたい…
愛でたくなる気持ちわかる
とりあえず抱き枕にしながら寝たい
まで読んだ
>何も生み出すこともできない悲しい存在…!
打ちひしがれてるのに割と余裕あるなこの巫女