【FGO】わるいノウム・カルデアと擦り切れるマスターの意識と曇るアルジュナ

1: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:31:27
「マスター。その紅茶、私が淹れたんです」
「そうなんだ。どうりで美味しいと思ったよ」
「いかがです。このクッキーも、私が作ってみたんです。あなたが喜ぶかと思って」
「うん、これも美味しい。流石、アルジュナは何でもできるなあ」
「……本当に、美味しいですか?」
「うん。君は本当に、最高のサーヴァントだね」
「……。マスター」
「うん?」
「あなたは、今、幸福でしょうか」
「……。急におかしなことを聞くんだね。もちろん。とても幸せだよ」

「……。そうですか。それなら、いいんです」
きっとあなたの目前には、純白な自明。恍惚の世界が広がっているのだろう。
だからこそ、こう述べる行いを許してほしい。あなたの魂に安らぎあれ、と。

2: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:32:03
「今日のマスター君の行動に、何かおかしなところは無かったかい?」
差し出された資料を見る。聞き取りを行ったマスターの行動レポートだろう。
起床してから帰還するまでのほぼ丸一日に渡って白紙。つまり今日一日の行動に覚えがないということだ。
「この記述を信じるなら、マスター君は無意識の内に、特異点の修復を終わらせたってことになる」
「……特に問題点は見られませんでしたが」
もちろんその特異点には私も同行していた。
マスターからの指示は完璧で、『カルデアのマスター』として求められている行動そのものだったように思える。
「最初に起動した『カルデアのマスター』から、記憶に穴はあったけどさ。それにしたって、これは大きすぎる」
「……。素体の期限が近い、というのも一因なのでは」
「それはない。身体はともかく、頭の部分はちゃんと作り込んであるさ。
 今、マスター君の身体で最も大切なのは、今までの記録と記憶の詰まった脳髄だ」
ダ・ヴィンチの言葉にわずかに嫌悪の表情を返す。最早覆らない事実ではあるものの、マスターが物として扱われる感覚には未だに慣れない。
3: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:32:21
マスターの魂を肉体という永久の煉獄に閉じ込める、その技術は未だに続いていた。
まだ我々は世界を救えていない。『カルデアのマスター』が世界に必要とされる限り、フィニス・カルデアの所有物となったあの人の安寧の眠りは遥かに遠い。
「懸案事項として調べておくよ。今まで蓄積されていく経験の方にばかり目を向けてたからね。
 零れ落ちていくもの。マスター君が何を失っているのかは、誰も気に留めていなかった」
私は乾いた笑みを浮かべた。
喪失。自分の肉体の所有権も、死の安息も失ったあの人から、これ以上何を奪えるというのだろう。
「驚きだ。既にあらゆるものが、マスターから剥奪されたと思っていましたが」
「君に皮肉は似合わないぞアルジュナ。それはホームズの仕事だろう?」
ダ・ヴィンチは涼しく言葉の棘を受け流し、
「聞き取りは以上だ。ご苦労様」
どうやら今回の『カルデアのマスター』は、引き継ぎの形式で終了できそうだね、とダ・ヴィンチは微笑む。
どうあれ我々は共犯者だ。声高に批判することなどできはしない。
戦場においては私が、カルデアにおいては彼女が。マスターの死を看取るのだから。
4: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:32:42
「ダ・ヴィンチちゃんの呼び出し、何だったの?」
「取るに足らないことです。……それより、随分と賑やかですね」
「お茶会だから。まあ、自分しかいないけど」
たっぷりの色濃い紅茶。自分で作ったらしい質素な菓子類。狭い机の上は確かに、ちょっとした茶会の様相だ。
「何故一人、それも自室で?」
食堂なら、相手になるサーヴァントも大勢居る。問いにあの人は物憂げにカップの表面を見つめ、
「もちろん、みんなで一緒ってのも楽しいけどさ。たまに一人になりたい時もあるから。……あれ。これって『カルデアのマスター』らしくないのかな」
『カルデアのマスター』。耳に慣れてしまった単語に一瞬動揺するが、私は平静を装う。
マスターの言葉は概念としてのそれではなく、ただ自分らしさという意味合いだろう。
連綿と綴られる『カルデアのマスター』という概念。
自らの足元に同じ顔の屍が無数に重なり、いずれ自分もそこに朽ち果てる定めだと、一切知らないはずなのだから。
「いいえ。とても、『あなた』らしいと思います」
それから尋ねた。もしかして私お邪魔でしょうか、と。
「全然。ほら、君も座って。せっかくだし二人で一緒にお茶を飲もう」
5: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:33:20
紅茶の味は、色と同じく濃くて渋い。マスターもちょっと濃かったなあ、と顔を顰めていた。
口直しに、と摘まんだ菓子は甘すぎる。この紅茶と合わせたら、歪ながらも均衡が取れているのかもしれない。
なので、総合的に鑑みた場合。
「美味しいですね、マスター」
「……絶対に嘘だよね、それ」
気を遣わなくったっていい、とむくれたあの人は紅茶を啜る。私は笑う。まだ笑うことができたのか、と自分を嗤う。
二人だけのお茶会は静かに、穏やかに続いていた。
「あのさアルジュナ。……私って、本当にわたしかな」
唐突にそう尋ねられて、私はついあの人の顔を真直ぐ見てしまった。認識阻害により、曖昧にしか捉えられなくなった顔を。
「時々、来るんだ。ふっと真っ白で心地いい世界に包まれる時間が。
 ああ、しあわせだなあ、って夢見てるみたいにぼーってしてさ。
 気が付いたら私、自然にマシュとお喋りしてるの。今日のご飯のこととか、明日のトレーニングの話とか。
 なんにも意識してないのに、舌はぺらぺら動いてるし頭は話題を選んで喋ってる。
 不安になって、今日の私、どうだった? って聞いても普通でしたよ、って不思議そうな顔で答えるの」
6: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:33:45
「それが、段々長くなってきてる。私がわたしじゃない時間が増えてる気がする。
 ……怖い。怖いよアルジュナ。私は怖い。
 私って自我が居なくても、この身体は勝手に動くの? 私らしい行動をできるの?
 だったら、このいま、世界を感じている私なんか要らないじゃないか。
 真っ白な間、私の心はなんにも分からなくなるのに、わたしの身体だけが平然と続いていく。
 だから私が居なくなったことに、誰も気付かない。ねえ。そんなことってあり得るの?」
いいえ。そう答えようとしてダ・ヴィンチの言葉を思い出す。徐々に広がる記憶の穴。
恐らく、今日の微小特異点での状態も同じだったのだろう。自我が無くとも、無意識のうちに全てを十全に行えるようになったのだ。
『カルデアのマスター』として取るべき行動を。なんの意思も思考も介さず、一つの機構として。
怖気がした。それは、一種の抜け殻ではないのか。本当にあの人と同一と呼べるのか。
我々が続けてしまった、『カルデアのマスター』という形骸でしかないのではないか。
7: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:34:07
マスターの身体が震える。自分が自分でなくなる恐怖を抑えようとするように、両腕で自らの身体を抱えた。
激しく咳き込む。白い机に、床に、カップに。血の飛沫が鮮やかに散らばる。
近づいて、背中を擦る。服越しですら分かる痩せ衰えた身体。この素体も期限が近い。
嫌な予感があった。最早意識は不要となり、記憶の穴は移し替える度に進行していく。
ならば、次の『カルデアのマスター』に、意識は、自我は発生するのだろうか。
例え消えてしまったとしても、誰にもそれは判断できない。意識あるように振舞う無意識と本当の意識の判別など、他者には不可能だ。
内面を失った虚無のまま、『カルデアのマスター』は続いていく。誰に気付かれることもなく。
それがやがてあの人が至る極点。成れの果て。
「ごめんね、変なこと聞いて。最近具合悪いから、悪いことばっかり考えるのかも」
ダ・ヴィンチちゃんの薬、飲んでるのにね。口元の赤を弱々しく拭って、あの人は微笑んだ。
「ねえ、アルジュナ。また、もう一度お茶会をしようよ。
 今度は君に、紅茶とお菓子作ってもらうから。忘れないで。約束だよ」
私は虚ろに呟いた。ええ、きっと。
8: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:34:35
「君の報告の通りだ。
 蓄積されていく『カルデアのマスター』の経験と反し、不要とされ徐々に削ぎ落とされていったのは、意識。
 つまり死して尚、情報を転写し続けていくうちに、『カルデアのマスター』であることを極めてしまった訳だ。
 意識、意志、自我。そういった物に決めてもらわなくても、マスター君は十分に『カルデアのマスター』として振舞える」
ラボのベッドには、同じ顔が二つ。肉体の期限の迫る、前任者と呼ぶべきマスターと次の『カルデアのマスター』。引継ぎ作業の真っ最中だ。
「次のマスターに、意識は宿りますか」
「……いいや。恐らくは、完全に消失する」
残忍な事を言った自覚はあったのか、少女は瞑目する。
擦り切れ、今まさに消え逝こうとしている、マスターの人間の意識に祈るように。
「しかし、意外だよ。君はどんな手段を用いてでも、この引継ぎを止めると思っていた。
 私自身、もうこれ以上は無理だと思ったから」
目に見えて疲労の色が浮かぶ少女に私は微笑んだ。
あなたが言ったのだ、ダ・ヴィンチ。我々は、歩みを止めることは許されない、と。
「……。ああ、そうか。そうだった」
残酷なことだ、と少女は呟く。
9: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:35:01
そうして再起動されたマスターには、意識は存在しなかった。

「マスター。その紅茶、私が淹れたんです」
あなたはこの紅茶の熱も、香りも感じてはいない。
「いかがです。このクッキーも、私が作ってみたんです。あなたが喜ぶかと思って」
あなたは味も、喜びも感じていない。
『カルデアのマスター』として脳髄に刻み込まれたアルゴリズムに従い、まるで感じているかのように振舞うだけだ。
「……本当に、美味しいですか?」
だから、あなたがどのような返事をしたとして、あるのは受け取る側の感傷でしかない。
あなたが「思う」のも「感じる」のも、全て機構としての返答であり、まやかしだ。言葉以上の意味はない。
そう、分かっていても。
「……。マスター」
どうしても、私は尋ねずにはいられなかった。
「あなたは、今、幸福でしょうか」

10: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:35:23
「……。急におかしなことを聞くんだね。もちろん。とても幸せだよ」
この人は感じることなんてできはしない。存在するのは、かつてマスターが語っていた、真っ白で心地よい世界だけ。
だから今までずっと抱えてきた痛みも、悲しみも、苦しみも、遠いものになった。
内面はなく、苦痛を受け取る『私』が存在しないからだ。
あなたの目前にあるのは、純白なる自明。選択も決断も必要としない、ただあるべきことを、あるべきように行うシステム。
迷いを排した……いや、廃した機構だ。
あなたが行き付いたこの状態を一種、救いだと思うのは、少々独善が過ぎるのだろうか。

だからこそ、こう祈ることを許してほしい。あなたの意識に安らぎあれ、と。

25: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:56:06
>>10
オルジュナが美しいと言ってくれた在り方は喪われちゃったんだな…
11: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:35:55
おわり
わるいノウム・カルデアと擦り切れるマスターの意識と曇るアルジュナの話です
お茶会をもう一度
33: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:11:30
>>11
またお茶会しようねって言ってくれた本人はもう覚えてないんだ…
12: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:36:49
ある意味神ジュナに近い状態だ…
13: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:37:53
忘却を苦しみから逃れる手段に使ってはならない
だが、彼女だけにはそれが許される。……いや、許されるような気がする
14: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:38:43
この前のやつの続きか
15: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:40:41
義務の果たし過ぎで機構っぽくなっちゃった連中は見るのも辛そうだ
16: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:42:17
最初にマスターを守り切れなかったサーヴァント達が悪いよー
17: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:42:48
召喚不能になった鯖はそれなりにいそう
20: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:45:35
>>17
朕はノリをひくため準備してそう
18: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:43:33
オリジナルのぐだ子は機構みたいになった自分を嫌がりそう
まぁ死んじゃってるから知る由もないんだが…
19: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:45:19
このカルデアのオルジュナは灯火消えて神だった頃みたいになってそう
21: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:46:49
機構に成り果てたからこそ取れるようになった素体への処置とかもありそう
22: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:48:20
哲学的ゾンビやね
24: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:51:05
新たな英霊と仲良くなったらまた拗れそうだなこの状態
26: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:56:44
>>24
多分バグのように異なる選択が増え始めて新しい自我が成立するんじゃないかな
28: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:02:40
>>26
元のマスターに想い入れある面子と揉めたり色々拗れた展開になるやつ
29: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:04:03
>>26
そして古くからの仲間が見てるのは私じゃなくて前の私だ…って気づくんだね
27: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:58:07
ハーモニーかよ…
30: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:04:09
たとえ寿命問題解決しても元の日常に帰れなくなっちまったな
31: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:06:28
>>30
カルデアのマスターのエミュは出来ても元の家族の娘はエミュれないんだね…
一章のぬが英雄としてのジャンヌの反転エミュでしかないのと似てる?
32: この世全ての名無し 2020/09/06(日) 00:08:12
>>30
稼働時間短いしメンテもいるだろうから家族の所に帰るどころじゃないしそもそも本人じゃない
全部終わったら今度こそ永遠の眠りにつくだけとか虚しすぎる…
23: この世全ての名無し 2020/09/05(土) 23:49:32
カルデアが勝手にやってる訳じゃなくてあくまでもぐだ子本人の遺志に基づいてるせいで割り切れないサーヴァントも結構いそう

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『【FGO】わるいノウム・カルデアと擦り切れるマスターの意識と曇るアルジュナ』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2020/09/08(火) 23:09:01 ID:864ecbf5e 返信

    ゲッター艦隊かな?

    • 名前:匿名 投稿日:2020/09/08(火) 23:10:55 ID:02fab9c88 返信

      それか真マジンガーZEROの剣鉄也か

  2. 名前:匿名 投稿日:2020/09/08(火) 23:18:52 ID:1af2977b1 返信

    ハッハァー…なんてクソッタレな話だ…人を、相棒ォを何だと思ってやがる…!!

    • 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 00:57:46 ID:8eb49233e 返信

      レジライはこういうのに、割と率直に義憤する気もする。
      人間と認める相手には、本当に情の篤いおっさんなのよな。

      • 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 06:55:50 ID:1bdc47493 返信

        レジライの怖いところは義理人情的感情に厚く、こんな時はちゃんと怒ってくれそうな感じがあるのに、利益や自分の目的のためならそういうものを度外視した手段を躊躇なく後悔なく取れるところだと思うわ
        まぁ、これは他のキャラにも当て嵌まることかも知れんが

  3. 名前:匿名 投稿日:2020/09/08(火) 23:27:59 ID:befca4ad8 返信

    全てに適切な反応を返せるAIと人の違いとは…にも似ている

  4. 名前:匿名 投稿日:2020/09/08(火) 23:38:04 ID:8bd837070 返信

    何人かの英霊は自主的に退去するか、内乱起こしそうだな…
    ロボは確実に暴れ回ってから退去するだろうし
    頼光さんにとってコレは核地雷なんじゃないか?

  5. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 00:03:21 ID:6b4463495 返信

    ※4
    荒ぶるBBちゃん&ニャルラトホテプBBちゃんがカルデアのシステム面ではダイレクトにヤバ過ぎる……あと、アビーちゃん(INヨグ様)なフォーリナークラスとかも……

  6. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 00:48:33 ID:4cb3801a5 返信

    カルデアじゃなくてぐだに協力してた鯖達は軒並み呼べなくなってそう
    隠しきれるとも思えんし

    • 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 06:59:41 ID:20a5848eb 返信

      知ってて黙ってるのもいるだろうけど、いい気分じゃないだろうね…。

  7. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 04:04:05 ID:d69cc3111 返信

    70億の命の上に俺は立っている

  8. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 05:55:51 ID:832cf6add 返信

    うーん、伊藤計劃

  9. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 08:23:35 ID:fb3f9a5c0 返信

    何にせよ、今後起こる何らかの試練や選択で着実に詰みそう

  10. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 09:16:59 ID:6abf40482 返信

    ぐだ子の一人称にこだわりを感じる…。

    呼称が性癖と言っても過言ではない人間なのでこうやって一人称二人称をこだわってる文章見ると嬉しくなるな。
    余談なんだけど、鯖フェスのアルジュナから女主人公への呼び方が貴方から貴女へ修正されてて公式のこだわりを感じた

  11. 名前:匿名 投稿日:2020/09/09(水) 14:41:25 ID:2e7a992fa 返信

    続きが読みたくて堪らないぜ

  12. 名前:匿名 投稿日:2020/09/16(水) 17:50:55 ID:9e9c91327 返信

    完璧なカルデアのマスターの完成である。
    ある種生前のアルジュナの求めた到達点か。